収入の複線化を目指す鉄道員のブログ

現役鉄道員がセミリタイアを目指して収入の複線化を頑張ります。鉄分は薄め。

【映画感想】グリーンルーム

個人的評価:★★★★★☆☆☆☆☆
      設定や序盤の展開は良いものの、どこか気が抜けた残念さも


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序盤~中盤の畳み掛けるような展開にハラハラ

インディーズパンクバンドとして米国各地で小規模ながら演奏し日銭を稼ぐメンバー4人は、仲介屋からの依頼を受け、あるライブハウスで演奏することに。
現場につくと、なんとそこはネオナチの拠点で、運の悪いことにバンドの4人はそこである事件を目撃してしまったことから、軟禁状態に陥る。
何とかして脱出を試みる4人の努力もむなしく、事態はどんどん悪化していく・・・というのが、本作のあらすじ。

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売れないバンドマンが、アメリカの田舎町をボロいバンで転々としながら興行していく序盤は、どこかロードムービーのようなゆるい空気が流れていたのに、ネオナチのライブハウスに着いた途端、一転して不穏な空気に。
険しい表情したスキンヘッドのネオナチ軍団相手に、バンドマン達も初っ端から緊張を隠せません。
このネオナチ軍団がまたよく統制されており、機械のような無機質さで非常に不気味。
あれよあれよという間に楽屋に軟禁されてしまった4人が右往左往しているうちに、ネオナチのリーダー・ダーシーが事態の収束を部下に指示し、4人は追い詰められていきます。

パニックになるバンドマン達とは対照的に、ネオナチ軍団が淡々としていてこなれた感があるのが非常に不気味で、観ていて引き込まる展開の上手さがあります。
特に、バンドメンバーの1人が大怪我を負うシーンの緊迫感・絶望感はなかなかのもの。

でも、残念ながら本作のピークはここまで。

味方も敵も、なんかうまくいかないもどかしさ

バンドマン達は、なんとかして脱出しようと試みます。が、パニックで思考が働かないという設定なのか、全体的に行き当たりばったり。
相手が見るからにヤバそうなハゲ軍団ということがわかっていながら、撃ち方もろくにわからない拳銃とカッターナイフ、角材程度の武装しかせず、しかもなぜかバラバラに散って動き出します。

で、案の定、建物を包囲しているネオナチ達の格好の餌食になって次々と殺されていき、またもとの楽屋まで押し戻されてしまう体たらく。
「いやもうちょっと作戦立ててから動こうよ!」と思わずツッコんでしまいました。
ちなみに、途中でなんか頼れそうな助っ人が現れますが、瞬殺されます。
正直コイツ必要だったのか?笑

敵は敵で、序盤は不気味なほどに統率の取れた動きをしていたのに、なんかもたもたしている印象。
闘犬で襲わせるという手口は結構面白かったのですが、人数でも武装でも建物構造の情報面でも優位に立っているのだから、さっさと楽屋に踏み込んでしまえばよかったんじゃないの?という疑問が。。

ネオナチリーダーのダーシーも、警察の捜査をかわすために周到に手順を踏んでいくのですが、
その割には結末を最後まで見届けずに現場を去る等、イマイチ詰めが甘い。

ダーシー役のパトリック・スチュワートの厳格でカリスマ性がある雰囲気がよくマッチしていただけに、もったいなかったです。
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終盤の主人公達の謎行動

 激闘の末、辛くも脱出に成功した主人公達。
 重症を負って満身創痍の状態にもかかわらず、なぜか先に現場を離れたダーシー達に
復讐しに行きます。
いや、そこはまず医者行って警察に通報しろよ、と。
一応、自分たちや仲間が受けた仕打ちへの怒りが収まらないらしき描写はあるものの、さすがに行動が不自然すぎます。
しかも、銃の扱いも満足にできなかった主人公達は、なぜか正確な射撃ができるほどに
戦闘力が上がっています。一夜の激闘の結果、飛躍的な成長を遂げたのでしょうか。

ということで、前半の引き込まれる面白さから急激に尻すぼみしていく感のある本作ですが、
アメリカの田舎の退廃的な雰囲気やパトリック・スチュワートの狂気的な怪演、
闘犬との攻防の緊迫感といった見どころもあるので、グロ耐性のあるスリラー好きなら
一見の価値アリかもしれません。



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