収入の複線化を目指す鉄道員のブログ

現役鉄道員がセミリタイアを目指して収入の複線化を頑張ります。鉄分は薄め。

【映画感想】メッセージ

個人的感想:★★★★★★☆☆☆
      ハラハラ感と映像美、特徴的な音楽はあるものの、ラストの展開が惜しい。

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意図がわからない宇宙人の不気味さ

本作のアイコンともいえる上記画像の黒い宇宙船は、突如として世界各地に”発生”。
しかしこの宇宙船、その後は特に何をするでもなく浮遊したまま。
インディペンデンス・デイみたいに開幕レーザーで人類を殺戮するようなことはしません。
それどころか、人類の宇宙船内への侵入を許し、コンタクトを取るという行為に出ます。

どうやら彼らが人類に何か「メッセージ」を伝えようとしているということまでは
分かったものの、肝心の「一体何を!?」という部分が一向にわからない。
その謎を解くのが本作のメインストーリーというわけです。

個人的に良いなと思ったのは宇宙人側の不気味さ。
人類とガラス越しに対面する宇宙人は、深い霧に覆われてその全容を窺い知ることは
できませんが、巨大で明らかに人ならざるものの姿をしています。
なんというか、クトゥルフ的な造形。

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またコンタクトレンズみたいな宇宙船も内外ともシンプル極まりないデザインで
メカっぽいものが皆無。どうやって動かしてんのか気になるほど。

同じ宇宙人でも表情があったり、操作する機械のメカ的な部分だったり、とりあえず
人類側と根本的な部分での何らかの共通項があれば、なんとなく「戦えそう」な
安心感があるのですが、そうした要素が少ないほど超越感が出てきます。

しかも相手は襲ってくるでもなく、触手から墨を打ち出してくるだけ。
とりあえず敵意はなさそうだけど、それでもいつ襲い掛かってきてもおかしくない
不穏さは常に漂っているので全く気を抜けませんでした。
(作中主人公たちは慣れたのか、途中からかなりフランクになってましたが笑)

ただ上記のとおり、宇宙人のメッセージを解読するのがメインストーリーなので、
バトルシーンは皆無です。

物語終盤の展開がイマイチ

冒頭から主人公の言語学者には、昔亡くした娘の記憶がフラッシュバックし、その後も
要所要所でフラッシュバックが入るのですが、ラストで宇宙人のメッセージが
判明すると同時にその意味もわかる作りになっています。
その意味では、多少の意外性を楽しめます。

ただ、宇宙人との意思疎通に四苦八苦するシーケンスが大部分を占めているせいか、
主人公のフラッシュバックの印象が薄く、ラストの展開もちょっとパンチが弱くなって
しまっている印象。

また終盤、主人公が宇宙人に攻撃を仕掛けようとする某国の将軍を思い留まらせるため、
命がけで電話をかけるシーンがあるのですが、ちょっとここの展開が強引というか、雑。
一国の軍事トップとして今まさに攻撃を開始しようとする寸前に、どこの誰かもわからない
外国人から電話がかかってきて、あんな理由で中止しちゃうの??って感じでした。

せっかくどんでん返し系のネタを仕込んだのに、いまいち効果を発揮できていない印象を
受けました。

美しい音楽と映像

だんだんと親しみが湧いてくるものの、根底では不安感を拭いきれない宇宙人が
本作では大きな存在感を放っていますが、その不安感に拍車をかけているのがBGMの数々。
激しさはないのですが、地響くような重低音と未知のものを連想させる浮遊感を併せ持った
なんとも心地よくない、でも不思議と繰り返し聴きたくなる曲です。

映像も落ち着いた色調で統一されていておしゃれです。
キューブリック映画のようなシンメトリーのカットも所々で挿入されていたのも
非現実感が出ていて美しい。
 
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