【映画感想】LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門

個人的評価：★★★★★★★☆☆☆
　　　　　　渋カッコいいルパン達のキャラクターと流れるような戦闘シーンが楽しめる良作。

大人のカッコよさ全開のキャラ達が魅力的！

「LUPIN THE IIIRD」シリーズは、原作のハードボイルドなテイストを意識した作品で、これまでにTVアニメでは「LUPIN the Third -峰不二子という女-」、前作映画「LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標」が制作されています。
私は結構このエロチック＆ハードな世界観のルパンシリーズが好きで、前作映画「次元大介の墓標」 も鑑賞済みですが、とにかくおなじみのキャラたちがみんな渋くてカッコイイのです。
例えばルパンにしても、近年のギャグアニメ色は皆無で、「ふ～じこちゅわ～ん♡」とか
言ってダイブしたりしませんし、なんとなく声もドスが効いています。
ところどころで見せる悪～い笑顔もステキです笑

また本作で実質主役の五エ門は、最初こそ傲慢不遜さが窺えるものの、求道者としてのストイックさが
全面に描かれています。女キャラにいいように使われることもありません。

そして銭形警部。このシリーズで一番かっこよくなっているのは間違いなく彼でしょう。
ルパン一味に一杯食わされて痛い目にあうとっつぁんの姿は本作にはありません。
一味と一味をつけねらう本作の敵・ホークを追う第三の存在として、遺憾なくその存在感を発揮しています。
特にUターンざまに車内から走行中のバイクを撃ち抜いてホークを崖に転落させるシーンなんて圧巻の超人技です。

あと不二子ちゃん。ショートボブいいよ。すごくイイ！

■五エ門の戦闘シーンが圧巻！

本作は、五エ門の成長物語です。
五エ門というと、ビルや飛行機はおろか荒波や雷まで両断してしまうトンデモ超人で、ルパン一味の切り札的存在というイメージです。
本作でも発射された弾丸をきりもみ回転しながら両断したり、大木を切り倒したりとその剣技を
存分に披露してくれるのですが、そんな五エ門以上にヤバイ奴が登場します。

それが本作の敵役・ホークです。
見た目はウェスタン風の中年太りの白人親父で、プロレスラーのスタン・ハンセンを彷彿とさせるキャラなのですが、こいつがもう滅茶苦茶強いのです。

戦闘スタイルは手斧をぶん回すのみというシンプルさにもかかわらず、無表情で巨大船のタービンを
破壊するわ、銃弾は弾き返すわ、古寺を倒壊させるわとやりたい放題。
前作の敵役・ヤエル奥崎も知略を駆使する手強いキャラでしたが、ホークは純粋なフィジカル面での強さである分、こちらのほうが化物じみた印象です。
なんというか、一人だけグラップラー刃牙のキャラみたいな世界観です。
（途中でもスペックっぽいシーンがあるし）


超人・五エ門もこのホークには太刀打ちできず、心身ともにボコボコにされてしまいます。
完敗を喫した相手に打ち勝つまでの五エ門の成長が本作のメインテーマなわけですが、
物語後半、ある感覚を掴んだ後の五エ門の殺陣が流れるようなスピード感とタイトル通りの
血煙の鮮やかさが相まってとてもカッコイイのです！

さらに良かったのは、ルパンにはめずらしく人体欠損表現がある点。
このおかげで、本作の見せ場である戦闘シーンにも良い緊張感が生まれています。
刀で切られたら人は死ぬという当たり前の描写を、ルパン映画で見られたのはいい意味で意外でした。

サクッと見れるお手軽さ

本作の上映時間は54分。1時間未満です。
たとえばインターステラーなどの大作映画は、見どころ十分で充足感も高いのですが、
私のようなおっさんにはちょっとした体力が必要で、結構鑑賞前のコンディションにも
気を使うのですが、1時間程度であれば、テレビドラマを見る感覚で気軽に楽しめます。

時間が短いがゆえに、蛇足もなく、ストーリーラインもシンプルで純粋に映像に
集中できるという点も地味に魅力です。
 



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